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広さ、長さ、高さ、深さ

  • thewordforyoujapan
  • 6月15日
  • 読了時間: 9分

更新日:8月11日

エペソ人への手紙第3章18節の祈りに対する整理

2025.6.15 礼拝メッセージ

パウロは、エペソの信徒たちのためにこう祈りました。

 

「どうか、私たちの主イエス・キリストの神、栄光の父が、

あなたがたに知恵と啓示の御霊を与えて、神を知ることができるようにし、

心の目をはっきり見えるようにしてくださいますように。」

(エペソ1:17–18)

 

この「知る」とは、ただ情報を得ることではありません。

それは、心の目が開かれ、神の救いのご計画を全体として御霊により啓示され悟ると言うことです。

  

・予知(前もって知る)―ローマ8:29・予定(あらかじめ定める)―ローマ8:29

・召命(召す)―ローマ8:30

・再生(新しく生まれる)―ヨハネ3:5、「御霊によって生まれなければ、神の国を見ることはできない」

・信仰・悔い改め ―ピリピ1:29(信仰は与えられる)、使徒11:18(悔い改めは神からの賜物)       ・義認(義と認める)―ローマ5:1

・聖化(聖なる者に変えられる)ローマ6:22

・栄化(栄光を与える)―ローマ8:30   

  

1)救いの御業の目的は個人の救いを通して、神の栄光がこの地上に現れること私たちは、神との選びにおいて、キリストのからだなる教会に計画され、召され、結合されているのです。

「私たちは、神の御心により、御子にあって前もって定められ…」(エペソ1:11)

「教会はキリストのからだであり、すべてをすべてで満たす方が満ちておられるところです」(エペソ1:23)


2)信仰者は、キリストと結合し(1コリント6:17)

 霊によって新しく生まれ(ヨハネ3:5)、

信仰と悔い改めを神から与えられ(ピリピ1:29, 使徒11:18)

その結果として教会という共同体に結合される(1コリント12:13)

「ひとつの御霊によって、私たちは皆、ひとつのからだにバプテスマされ…」(1コリント12:13)


3)さらに、父・子・聖霊の三位一体の神が、信仰者のうちに永遠に住まわれます。

・「わたしたちは、御父と御子が、その人のところに来て、住まう」(ヨハネ14:23)

・「キリストがあなたがたのうちにおられる」(コロサイ1:27)・「あなたがたのうちに住まわれる聖霊」(ローマ8:11)

 

4)真の信仰者たちは神の神殿とされる「あなたがたは神の神殿であり、神の御霊が宿っておられる」(1コリント3:16)結合(Union)は、一度きり、全人格的、契約的に、有機的にキリストに結ばれたこと。

内住(Indwelling)は、神が信仰者のうちに臨在され続けること。ペンテコステの聖霊降臨の重要性はここにあります。 ➡ この結合、内住は教会が生まれることの土台となる。

 

<結合と内住の違い>

区分

結合(Union with Christ)

内住(Indwelling of God)

定義

全人格・契約・有機的な結合。再生と同時に成立

結合に基づく神との霊的交わり

時期

再生と同時、一度限り

継続的に続く

主体

キリストとの関係(位置)

三位一体の神の臨在(経験)

聖句

1コリント6:17、ローマ6:5

ヨハネ14:23、ローマ8:10、2コリント13:5

 

 

【キリストの内住 ― 教会と信者における現実】

「キリストがすべてであり、すべてのうちにおられる」(コロサイ3:11)この御言葉は、単なる象徴ではない。

 

再生された者には、実際にキリストご自身が聖霊を通して内住している。

・信者の心の中に、キリストが住まわれる

・教会全体に満ち、満ちるキリスト

・その結果、私たちは内から造り変えられていく(これが「聖化」)

 

パウロは、エペソの信徒たちのためにこう祈りました。


17 どうか、私たちの主イエス・キリストの神、すなわち栄光の父が、神を知るための知恵と啓示の御霊を、あなたがたに与えてくださいますように。

18 また、あなたがたの心の目がはっきり見えるようになって、神の召しによって与えられる望みがどのようなものか、聖徒の受け継ぐものがどのように栄光に富んだものか、

19 また、神の全能の力の働きによって私たち信じる者に働く神のすぐれた力がどのように偉大なものであるかを、あなたがたが知ることができますように。 


この「知る」とは、ただ情報を得ることではありません。

それは、心の目が開かれ、神の救いのご計画を全体として知ることです。これは聖霊の働きによります。

 

 


エペソ1章〜2章からの要点

  • 【1:4】天地の創造の前に、神は私たちを選ばれました

  • 【1:7】キリストの血によって、私たちは贖われました

  • 【1:13–14】聖霊によって、将来の相続が保証されました

  • 【2:1–5】死んでいた私たちを、神はキリストとともに生かしてくださった

  • 【2:8–9】救いは行いではなく、ただ神の恵みによるものであり、信仰は神の賜物

これが全体像:選び、贖い、再生、義認、聖霊の保証、相続

──すべて神の恵みによる壮大な救済の計画

 

私たちは、これらの神の素晴らしい恵みの働きをどれほど知っているでしょうか?

どれほど心を打たれて、感謝と礼拝に導かれているでしょうか? パウロはこう祈り続けました。


18 すべての聖徒とともに、その広さ、長さ、高さ、深さがどれほどであるかを理解する力を持つようになり、

19 人知をはるかに越えたキリストの愛を知ることができますように。こうして、神ご自身の満ち満ちたさまにまで、あなたがたが満たされますように。


 まさにそうなのです。

 

――パウロの祈りの「神学的深み」そのものです。

パウロは、創造のはじまりから栄化の終わりまでのすべてを、「キリストの愛の広さ・長さ・高さ・深さ」で貫いて祈っています。

 

これは単なる「霊的体験、個人的な祈り」ではありません。

 

これは――神の救済史の全体を、愛によって貫き、キリストの十字架によって確証された、福音の全構造を震える心で語る祈りです。

 

【エペソ3:18】その広さ、長さ、高さ、深さについて

 

 神の救済計画(創造〜栄化)の構造

 

1. 広さ=創造と選びの広がり:存在するすべてのものを貫く神の愛

 

神は世界を創造された時から、愛によって計画を始められた(創世記1:1、エペソ1:4)

 

    •光も闇も、天も地も、天使も人も――すべてが神の愛のご計画の中で造られた。

    •「選び」は人間の自由意思ではない。被造世界の中で、主がご自身の愛の対象を定めた主権の現れ。

    •広さとは、創造に先立つ「愛の永遠の意志」の広がり。

 

「 宇宙を超えた創造と選びにおける主権的な愛の広がり」

 

 

2. 長さ=歴史の流れを導く愛:再生・信仰・悔い改めの中に働く神の導き

 

「神は、時が満ちるに及んで、御子をお遣わしになった」(ガラテヤ4:4)

 

•私たちは時の中にいるが、神の愛は時を超えて先に働いている。

•再生は、時間の中で起こるが、永遠のご計画の成就として与えられる。

•信仰も悔い改めも「人間の応答」ではなく、愛の長さの中に仕込まれた恵みの出来事。

 

「創造から終末までの「歴史全体」に流れ込む、切れ目なき愛の持続」

 

 3. 高さ=義認と聖化による天への引き上げ:神の栄光と結合される愛の高み

 

「あなたがたはキリストとともに天の所に座らされた」(エペソ2:6)

 

    •十字架の義によって罪の下から引き上げられ、

    •聖化によって神のかたちに変えられつつあり、

    •やがては栄化によってキリストとともに完全な栄光に与る。

 

この「高さ」に含まれるもう一つの驚くべき真理は、神の救いの完成は、すでに決定しているという確実性です。

パウロはローマ8:30でこう語ります:

「神はあらかじめ定めた人たちを、さらに召し、召した人たちを義と認め、義と認めた人たちには、さらに栄光をお与えになりました。」


ここで注目すべきは、「栄光をお与えになりました(過去形)」という表現です。

  • 私たちの時間の中ではまだ到達していない「栄化」が、

  • 神の永遠の計画の中では、すでに与えられたものとして語られているのです。

これは、神の救いの計画が途中で頓挫することは決してないという確信を与えます。

 

選ばれた者たちには、神によって完全な救いが始まり、神によって成り、神によって確実に完成されます。

このように、選びから栄化までのすべてが神によって語られ、すでに完成形で示されていることは、神の民が必ず終わりまで堅く保たれるという」確信となります。

 

これはパウロがピリピ1:6で語る「あなたがたのうちに良い働きを始められた方が、それを完成してくださる」という約束と一致します。

したがって、栄化とは、単なる希望ではなく、神の契約における確実な未来なのです。

 

    「最も低き者を、神の御座へと引き上げる神の愛の高さ」


  4. 深さ=十字架の御業:死、呪い、裁き、断絶の最も深いところまで降りられた愛

 

「キリストは死にまで、それも十字架の死にまで従われました」(ピリピ2:8) 

•ただ主は死んだのではない。

•ローマ3:25「神はこのキリストを、信仰による血による宥めの供え物

神の怒りと呪いを、私たちの代わりに一身に負われた。

 •その深さは、誰も届かない罪の底へ、神ご自身が降ってくださった深み。

 •神の愛の深さとは――神が沈黙された場所で、なお私たちを見捨てなかったという事実。

 

「神の断絶すら飲み込む十字架の愛の深み」

 

 パウロの祈り:これは福音の全体構造へ「神の愛という光」を当てる祈り

 

「私は、創造から栄化に至る、すべての神のわざの中心に、キリストの愛があることを、聖徒たちとともに悟ってほしい――そのように祈る。」

 

19 人知をはるかに越えたキリストの愛を知ることができますように。こうして、神ご自身の満ち満ちたさまにまで、あなたがたが満たされますように。

 

 「人知をはるかに越えたキリストの愛を知ることができますように。」

 こうして ➡「神ご自身の満ち満ちたさまにまで、あなたがたが満たされますように」

  

<人知を超えたキリストの愛の全貌>  

神の主権にすべてがあり(私たちは神の主権の中にあり)

キリストとの結合 (キリストはわたしの内にあり)

 

 広さ=創造と選びの愛:すべての時空を超えた主権

 長さ=再生・信仰・悔い改めの愛:時間の中の契約的導き

 高さ=義認・聖化・栄化の愛:神の子としての天の御座に引き上げられた

 深さ=十字架の御業:裁きの底にまで届いた神の愛

人知をはるかに越えたキリストの愛を知ること


 

「人知をはるかに越えたキリストの愛」=人間の理性では捉えきれないが、御霊による啓示によってのみ悟られる福音の奥義

 

1コリント2:9–10

"しかし、このことは、「目が見たことのないもの、耳が聞いたことのないもの、人の心に思い浮かんだことがないものを、神は、神を愛する者たちに備えてくださった」と書いてあるとおりでした。

 

それを、神は私たちに御霊によって啓示してくださいました。御霊はすべてのことを、神の深みさえも探られるからです。"

神ご自身の満ち満ちたさまにまで、あなたがたが満たされますように。

· 神ご自身の満ち満ちたさまにまで…」というのは、キリストの愛を知り、信仰の成熟へと造り変えられていく、内住の現実と結びついている。

 


 

「天地創造の前からあなたに注がれていた愛、

十字架でそのすべてを証明された愛、

天の御座にまであなたを引き上げる愛、

そして時間も空間も死さえも打ち破ってあなたに届いている愛――

その“福音の全体構造の広さ、長さ、高さ、深さ”を、すべての聖徒たちとともに、心の目が開かられて理解する力を与えられるように。」

 

この祈りの内容は、人間の自由意志による決断や霊的感覚の追求とは異なり、神の主権とキリストの完成された救いの計画を啓示によって知ることを求める祈りです。

 

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