病、災害、死に対する神の主権 ヨブ記(ショート)
- thewordforyoujapan
- 10月11日
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更新日:10月17日
2025.10.8 The Word for you
病 、災害、死に対する神の主権がどのようなものであるかを聖書から理解して行きましょう。
選ばれている人々と選ばれていない人々、それぞれに病、災害、死の意味は大きく変わります。このことを最初に心において忘れないようにしてください。
1. 神の主権を認めない考え方の主張
「病気は罪の結果である。だから悔い改めれば癒される。」
この誤った教えはしばしば「因果応報の教え(retribution theology)」と言われます。この教えは旧約のヨブ記の友人たちが代表として聖書の中に現れます。
ヨブ記の中で、ヨブの友人たち(エリファズ・ビルダデ・ツォファル)が「ヨブの苦しみは罪の罰」だと主張して責める場面がいくつもあります。
エリファズの発言(ヨブ記4:7–8)
「思い出してみよ。罪のない者が滅びたことがあるか。どこで正しい者が断たれたことがあるか。私の見たところでは、不義を耕し、害悪の種を蒔く者は、それを刈り取る。」
エリファズは「人は罪を犯すから苦しむ」と主張し、ヨブの苦難を「彼の隠れた罪の当然の報い」と見なしています。
ビルダデの発言(ヨブ記8:4–6)
「もしあなたの子どもたちが神に罪を犯したのなら、神は彼らをその咎のために捨てられたのだ。だが、もし、あなたが神を熱心に求め、全能者に祈るなら、あなたが潔白で正しいなら、
神はすぐにあなたのために立ち上がり、あなたの住まいを回復してくださるだろう。」
ビルダデはヨブの子どもの死を「彼らの罪の結果」と断定し、ヨブ自身も「悔い改めれば回復できる」と因果応報的に語ります。
ツォファルの発言(ヨブ記11:4–6) 「あなたは言う、『私の教えは純粋だ。私は神の前に潔白だ』と。しかし、どうか神が語り、あなたに答え、知恵の奥義を明らかにしてくださるように。
神があなたの罪よりも少なく罰しておられることを知るがよい。」
ツォファルは、ヨブが「むしろ本来受けるべき罰より軽く罰されている」と言い放ち、
ヨブの病と苦しみを神の罰と決めつけます。
2.神の最終的な裁き(ヨブ42:7)
さて、主がこれらのことばをヨブに語られて後、主はエマン人エリフェズに仰せられた。
「わたしの怒りはあなたとあなたのふたりのともに向かって燃える。それは、あなた方がわたしについて真実を語らず、わたしのしもべヨブのようではなかったからだ・
(ヨブ記42章7節)
神ご自身が、友人たちの教え――神は「罪が病の原因である」という報いの神学――を誤りとして神の怒りを燃やされています。
3.まとめ
登場人物 : 聖句 :内容
エリファズ :ヨブ4:7–8 :「罪のない者が滅びたことはない」=因果応報論
ビルダデ :ヨブ8:4–6 :「子どもたちが罪を犯したから死んだ」
ツォファル:ヨブ11:4–6 :「神はおまえの罪より軽く罰している」
神の裁定:ヨブ42:7 :「おまえたちは真実を語らなかった」=誤った教えの否定
この一連の流れが、まさに「罪が原因だとして病を説明する異端の教えの原型」です。
ヨブ記全体は、「義人の苦しみは罪の罰ではなく、神の主権的摂理の中にある」という真理を啓示しています。
4. ヨブの友達3人の理屈構造
神は正しい者を祝福し、罪人を罰する。
病気は罰である。
ゆえに病気になった人は、何らかの罪を犯している。
その罪を悔い改めれば、病気は癒される。
この理屈は一見「正義の神」を擁護しているように見えるが、実際には神の主権を人間の行いの下においています。 神は怒りはこの教えの上にあります。

