
ウエストミンスター信仰告白
9章
自由の回復
救いは神が成し遂げ、神が与える
9 意志
第9章:意志の自由(人の意志は中立か?)
ここでは決定的なことが明らかになる:
人の意志は「自由」ではなく「束縛されている」
再生は、意志を「解放する」神の働き
聖徒の歩みは「結合から続く照明と聖化」
では 第9章「意志の自由」 に進みます。
この章は “人間の意志は中立か?” という問いに対し、「意志は常に“何かに結びついて働く”」という改革派の核心を明確にします。
第9章 意志の自由(Of Free Will)
第1節
人は意志を持つが、その意志は本性の状態に従って動く
① 日本語原文(新翻訳・直訳)神は人に、選び、望む能力を与えられた。しかし、その意志は、その時の霊的状態に応じて善か悪に傾く。
② 一般信徒向け訳(簡明版)人には「選ぶ力」があります。しかしその選びは、心の状態がどこに結びついているかで決まります。つまり、心が罪に結びついていれば罪を選び、神に結ばれていれば神に従うのです。
③ 英語原文(1646)God hath endued the will of man with that natural liberty,that it is neither forced, nor by any absolute necessity of nature determined to good, or evil.
第2節
堕落以前の人の意志
① 日本語原文(新翻訳・直訳)堕落以前の人は、善にも悪にも傾く能力を持っていた。しかし、堕落後はそうではなくなった。
② 一般信徒向け訳(簡明版)アダムは、神に従うことも、背くこともできる状態でした。しかし、堕落によってこの状態は失われました。
③ 英語原文(1646)Man, in his state of innocency, had freedom and power to will and to do that which was good and well-pleasing to God.
第3節
堕落後の人の意志:神に向かう力を失った
① 日本語原文(新翻訳・直訳)堕落の後、人は 霊的に死に、善を喜び選ぶ力を失い、悪へと傾く者となった。自分の力では、神へ立ち返ることはできない。
② 一般信徒向け訳(簡明版)堕落した人は、神を愛することも、求めることもできません。人は「悪いことしか選べない状態」にあります。だから、救いは 人間の決断ではなく、神の働きから始まります。
③ 英語原文(1646)Man, by his fall into a state of sin, hath wholly lost all ability of will to any spiritual good accompanying salvation.
第4節
再生された者の意志:神に従う力が与えられる
① 日本語原文(新翻訳・直訳)再生された者は、神の恵みにより、善を愛し、神に従う能力が 回復される。しかし、なお罪の性質は残るため、完全ではない。
② 一般信徒向け訳(簡明版)再生すると、神を喜び、神に従う力が与えられます。しかし、罪との戦いは一生続きます。
③ 英語原文(1646)When God converts a sinner, and translates him into a state of grace,He frees him from his natural bondage under sin.
第5節
栄化の状態では、意志は完全に神に向く
① 日本語原文(新翻訳・直訳)栄化された者は、もはや罪に傾かず、完全に神に喜び従う者となる。
② 一般信徒向け訳(簡明版)天で、信者の意志は完全に自由となり、永遠に神を愛し続けます。
③ 英語原文(1646)The will of man is made perfectly and immutably free to good alone, in the state of glory only.
第9章の核心まとめ
状態 | 意志の向き | 能力 |
創造時(堕落前) | 善にも悪にも向かう | 選択可能 |
堕落後 | 悪にのみ向かう | 神を選ぶ力なし |
再生後 | 神に向かう力が与えられる | しかし戦いは残る |
栄化後 | 完全に神に向かう | 罪なく自由 |
結論
救いは意志の決断からではなく、結合(=神が心を新しくする働き)から生じる。